思想は今日もゲート難00

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水曜連載|思想は今日もゲート難

第0回「なぜ、思想はゲートで遅れるのか」

馬券の前で出遅れるのは、馬だけではありません。

第0回 競馬思想コラム アルデ馬券思想組合

連載のはじまり

皆さんお疲れ様です。期待値のマッキーです。

今回は、この連載タイトルである「思想は今日もゲート難」について話していきます。

少し変わったタイトルかもしれません。

でも、馬券を買っていると、この言葉が妙にしっくりくる瞬間があります。

買わないつもりだったレースに、締切直前で手が伸びることがあります。

強く買いたい理由があったわけではない。それでも、見送るのが少し怖くなる。

切るつもりだった人気馬を、最後に押さえてしまう。見送るつもりだったレースなのに、買わないことが負けのように感じる。

馬券には、そういう瞬間があります。

馬だけでなく、人も出遅れる

競馬を見ていると、能力はあるのにスタートで遅れてしまう馬がいます。

追えば伸びる。条件も悪くない。馬場も合っている。前走内容から見ても、ここで走って不思議ではない。

でも、ゲートをうまく出られない。

ほんの一歩。ほんの半馬身。それだけで予定していた位置を取れず、流れに乗れないままレースが終わることがあります。

これは馬だけの話ではなく、馬券を買う側にも起きることだと思っています。

買う前は冷静だった。条件も見ていたし、買う理由も整理していた。

それでも締切が近づくと、焦りや不安が先に出ることがあります。

その結果、最初に考えていた買う理由が少し後ろに下がり、最後に出てきた気持ちで馬券を買ってしまう。

この連載では、そういう判断の出遅れを、競馬の場面から少しずつ整理していきます。

買う前は分かっている

レース前には、ちゃんと分かっていることがあります。

この馬は人気ほど信頼できない。このオッズでは、少し買いづらい。このレースは見送った方がいい。前走の派手さだけで買うのは危ない。

負けを取り返したい気持ちで買うと、たいてい判断が雑になる。

頭では分かっているんです。

それでも、締切が近づくと指が動くことがあります。

オッズを見ると、急に気になり始める。SNSで推されている馬を見ると、少し安心する。他人の的中報告を見ると、自分だけ置いていかれる気がする。

そして気づけば、最初に整理していた条件ではなく、締切前に出てきた気持ちで馬券を買っている。

その時、買う理由よりも、買いたい気持ちが前に出ています。

「思想は今日もゲート難」という言葉には、そういう意味を込めています。

正しい考え方がない、という話ではありません。判断軸がない、という話でもありません。

むしろ、競馬を真剣にやっている人ほど、自分なりの見方は持っているはずです。

期待値で買いたい。条件が合う馬を買いたい。人気や空気に流されず、自分の見立てで勝負したい。なぜその馬を買うのか、自分の言葉で説明できる馬券を買いたい。

ただ、その見方を毎回そのまま実行できるとは限らない。

そこに、馬券の難しさがあります。

馬券には、その時の気持ちも出る

人間は毎回、同じ状態で競馬に向き合えるわけではありません。

疲れている日もあれば、負けが続いている日もあります。当てたい気持ちが強くなりすぎる日もある。

自分の見解が間違っているかもしれないと、不安になる日もあります。

馬券には、データだけではなく、その時の気持ちも混ざります。

だからこの連載では、馬券を外した人を責めるつもりはありません。

「だからダメなんだ」と言いたいわけでもありません。

なぜ分かっていても買ってしまうのか。なぜ見送れなかったのか。なぜオッズを見てから理由を作ったのか。なぜ他人の確信に乗りたくなったのか。

そこを責めずに、落ち着いて見ていきたいのです。

この連載で見ていくこと

  • オッズを見てから、買う理由を作っていないか
  • SNSの空気に乗って、最初の見立てを崩していないか
  • 負けを取り返したい気持ちで、見送るレースに入っていないか
  • 応援したい馬と、買うべき馬を混ぜていないか
  • 当てたい気持ちが、買い目を増やす理由になっていないか

馬券には、勝ちたい気持ちや取り返したい気持ちが出ます。

それ自体は、悪いことではありません。気持ちが動くのは自然です。

ただ、その気持ちをそのまま買う理由にすると、あとで振り返りづらくなります。

なぜ買ったのかを残す

アルデ馬券思想組合で大事にしているのは、「なぜその馬を買うのか」です。

これは、当たった馬券をよく見せるための言葉ではありません。

外れたあとにも、自分の判断を振り返れるようにするための言葉です。

当たったか外れたかだけを見ると、次に活かしづらくなります。

たまたま当たった馬券は、気持ちよく記憶に残ります。でも、理由が残っていなければ、次も同じように買えるとは限りません。

逆に外れた馬券でも、理由が残っていれば、次に修正できます。

条件の見立てが甘かったのか。展開の読みが違ったのか。馬場を見誤ったのか。単勝で買うほどの理由が足りなかったのか。

それとも、判断は悪くなかったが、結果だけが合わなかったのか。

この分け方ができると、なぜ買ったのかをあとから振り返りやすくなります。

ここで言う再現性とは、同じデータを並べることではありません。

次に似た場面が来たとき、自分がなぜそう判断したのかを、もう一度たどれることです。

買う前に、少し立ち止まる

思想という言葉は、少し大きく聞こえるかもしれません。

でも、ここで言う思想は、難しい理論ではありません。

買う前に、少し立ち止まること。買う理由と、買いたい気持ちを分けること。人気と期待値を分けること。応援と投資を分けること。

他人の意見を参考にしながら、最後は自分の判断として引き受けること。

そういう小さな姿勢の積み重ねです。

それでも、毎回きれいにはできません。

だから「ゲート難」なんです。

完璧な人が、完璧な判断をするための連載ではありません。

揺れる日があっても、少しずつ自分の判断に戻ってくるための連載です。

次の馬券へ持ち帰ること

「この馬を買いたい」と思った。

では、なぜ買いたいのか。

条件が合うからなのか。単勝期待値として見合うからなのか。展開上、勝ち切る位置を取れそうだからなのか。

それとも、誰かが強く推していて安心したいだけなのか。負けを取り返したいだけなのか。

この問いを挟むだけで、買い方を見直しやすくなります。

次に馬券を買う前に、なぜ買うのかを一度だけ言葉にしてみる。

それだけでも、見送る馬券と買う馬券を分けやすくなるかもしれません。

馬券で揺れることは、誰にでもあります。

この連載が、そんな自分を責めるためではなく、自分の判断を少しだけ見直す場所になれば嬉しいです。

それでは次週お会いしましょう。

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